デデ肉を作って食べてみた!【幼女戦記食堂とカブラの冬】

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エリートサラリーマンが魔法のあるヨーロッパに幼女として転生し、世界大戦に巻き込まれる「幼女戦記」。作品に登場する代用食品「デデ肉」を作って実食してみました。不味いとされていますが、本当のお味はいかに?

デデ肉とは?

デデ肉とは幼女戦記の作中で語られる代用食品です。作中では豚肉に干し鱈を混ぜて嵩を増したもの、とのことで、スピンオフ作品の「幼女戦記食堂」でもネタにされていました。

幼女戦記食堂①
幼女戦記食堂②

このようにエンターテイメント作品に激マズ料理として登場したデデ肉ですが、実は史実をもとにしています。

史実のデデ肉

デデ肉の出典は書籍「カブラの冬」だと思われます。カブラの冬とは、本来は家畜に飼料として与えるカブラ(ルタバガ)すら食べないと生きていけないほどの食糧難のことで、第一次世界大戦時にドイツ(ドイツ帝国)で発生しました。

その原因はドイツが戦争の終結時期を見誤って食料政策をしてこなかったことに加え、イギリスによる食糧封鎖にあるとされています。

カブラの冬では当時のドイツ人口の約10%にあたる70万人もの餓死者が発生しました。

国内に飢餓をもたらす食糧封鎖への報復として、ドイツは無制限潜水艦作戦でイギリスの船を撃沈しつづけますが、誤って多数のアメリカ人が乗船した船を沈めてしまいます。これがアメリカの戦争介入のきっかけ(ルシタニア号事件)となったのです。

※Wikipediaよりルシタニア号

そして敗戦後、もう二度と飢えたくないというドイツ国民の思いを巧みに刺激してナチスドイツが生まれたと「カブラの冬」では語られています。

筆者が学校で習った教科書における史実では、イギリスの「経済封鎖」や植民地獲得競争、ヴェルサイユ条約による多額の賠償金と世界恐慌がドイツナショナリズムを高揚させ、ナチスを生んだとされていましたから、イギリスがドイツもたらした飢餓が原因では?という指摘はなかなかショッキングでした。

そのカブラの冬においてドイツで生まれた代用食品の一つがデデ肉です。

デデ肉の作り方

幼女戦記における「食」にフォーカスしたスピンオフ作品、幼女戦記のデデ肉の記載をもとにして実際に作ってみました。

デデ肉の材料

まずは材料を用意します。食糧難の代用食品ですから材料はシンプルです。飢餓状態なのでたくさんの食材が使われているハズがありません。

  • 乾燥鱈(50g)
  • 豚ひき肉(150g)

書籍の幼女戦記やカブラの冬の記述では「豚肉に干し鱈を混ぜてスパイスで臭いを消して焼いたもの」との事ですが、実際に豚肉をそのまま使ったところ、鱈と混ざらずバラバラになってしまいました。

その点、幼女戦記食堂においてデデ肉はハンバーグ状になっており、解説コラムでも豚のひき肉とされていましたから、今回はそちらを採用することに。

干し鱈は丸一日、水につけて戻します。乾燥したままだと固くて歯が立ちません。

次に戻した鱈をすりこぎで潰してから豚ひき肉と混ぜます。

豚肉の脂肪分があるのでハンバーグ状にまとまります。これならターニャが気づかず口に運ぶのも納得ですね。

そしてフライパンで焼きます。豚肉の部分と鱈の部分で熱の入り方が違うので少し崩れてきますが、ハンバーグとして出来上がりました。

デデ肉の味は?

それでは実食です。デデ肉を一口ほおばると広がるのは圧倒的な鱈臭。そしてざらざらした乾燥鱈の触感です。特に鱈の皮です。1日かけて戻したにも関わらず全く柔らかくなっておらず、ハンバーグの中で強い異物感を主張します。

おかげでよく噛む必要があり、豚肉100%のハンバーグよりも満腹感があります。早食い出来ないようにする!という代用食品らしい合理性を感じました。

ただし不快な臭いやおかしな風味はないので思ったよりも食べられました。もちろん史実のように「痛んだ豚肉」を使っていたら相当に食べづらいものになったでしょう。

もう一つのデデ肉

デデ肉を作って実食してみるにあたって色々と調べたところ、どうもカブラの冬で紹介されていたデデ肉は間違いではないか?という主張をされているブログを見つけました。

デデ肉のソースをあたられた結果、乾燥鱈と混ぜたのは豚肉ではなくじゃがいもでは?と述べられており一定の説得力があるようにおもえます。

そこで今度は残りの乾燥鱈(一袋買ったので余った)を水で戻し、じゃがいもと混ぜて焼いてみます。

じゃがいもと干し鱈のデデ肉の味は?

写真を撮り忘れてしまいましたが、じゃがいもと干し鱈のデデ肉の味は固い鱈肉入りマッシュポテト、といった感じでした。やはり噛み応えがあって、咀嚼回数が増えて満足感が増します。

乾燥鱈は水で戻しても焼くと固くなってしまいますね。やはり鱈は乾燥させずに鍋の具にして食べるに限ります。

まとめ

まずいと言われているデデ肉ですが、材料が新鮮ならそう悪いものでもありませんでした。作り方も簡単です。

ただし豚肉が手に入るのなら、食感が悪くなる鱈を混ぜたいとはおもいません。肉はともかく鱈の皮がザラザラして凄く食べづらい上に、乾燥鱈の方が豚ひき肉よりも圧倒的にお高いせいです。

現代日本では豚肉を食べる人よりも乾燥鱈を食べる人の方が贅沢ですね。

なお、材料を腐らせてから作った方がより史実に近くなるかもしれませんが、お腹を壊したくないのでやめておきます。

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