昨年、本業がメチャクチャ落ち込んで次の手を考えている時、紹介されてついうっかり青年会議所に入ってしまいました。今ではキレイに辞めてウェブライターを始めたので、地元の会社とリアルビジネスで繋がろうとして失敗した話を書こうと思います。
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公益社団法人日本青年会議所とは?
名称が似ているので商工会議所や商工会と同じようなビジネスの支援組織のように誤解されがちですが、青年会議所は収益事業と直接の関係を持ちません。
では、何の為にあるか問われれば、個人の修練と社会への奉仕、世界との友情の為にある組織です。
そこでJCI手帳の理念の項目をご覧ください。
JCIとは、Junior Chamber International Japanの頭文字で日本青年会議所の正式名称ですが、JCと自称しています。
神に対する信仰、神の永遠の計画に調和して生きる事で価値ある生活が生まれるとか、日本人の肌感覚だと若干違和感を感じる部分がありますね。
元々はアメリカ発祥の組織の為、キリスト教徒的な信徒・・・じゃなかった会員の連帯感が重視されるのです。
青年会議所の事業
青年会議所は利益を目的としない組織なので、ほぼボランティアですが、対外的な活動はかなり幅広いです。
- 地元のお祭りの準備や運営
- 金メダリストなど著名人を招いてセミナーを開く
- 小中学校に出向いて学生に職業の話をする
- 地元の防犯防災活動をする
- 地元の産業振興をする
上記と同時に内向きの活動として、全会員の参加が義務付けられている月に一度の例会や、各種渉外活動(他県や他国のセミナーや研修に参加する)等があります。
青年会議所と宗教
理念の項目にあるように、青年会議所の活動には若干、宗教色があります。
例会は下記のように様式美に満ちた儀式で始まり、儀式で終わります。
この流れはきちんと段取りが決まっていて、キッチリとこなせるように練習します。
他所の事は分かりませんがフリーメーソンとか、断酒会とかダルクに似ているように思えます。
青年会議所の検索クエリに宗教という関連語がありましたが、予備知識なしで見たらちょっと異様に思われるかもしれません。
実際、全員で輪になって肩を組んで歌ったりしますし。
青年会議所の会費について
青年会議所に所属するには入会費と月額会費が必要です。
2018年の入会費は2万円、月額会費が1万円です。
青年会議所に参加した理由
長々と青年会議所について紹介しましたが、ぶっちゃけ、この活動内容にはメンバーのビジネスにつながる余地はないですよね(笑)
私の場合、青年会議所の勧誘を受けた時、20歳から40歳までの若い社長ばかりがいるから仕事につながるとか、IT関係に強い人がいないから助けて欲しいと言われたのが決め手でした。
昨年は独立後初めて本業の数字が激減したせいで冷静さを欠いており、仕事欲しさに判断ミスしたのです。
会社員を辞めて4年目までは楽ではないにせよ、結果だけ見れば収入が増え続けたのに5年目でいきなり半減ですからね(汗)
予定納税・健康保険・住民税のジェットストリームアタックがきつくて、精神的に参っていました。
だから、もっとよく組織について聞いておくべきだったと思います。
ネット関係の仕事しているのに検索すらせず、全く下調べ無しの二つ返事で入会してしまったのです
もっとも、青年会議所には広報や募集だけを専門で行う部署があるので、紹介に耳を傾けた時点でガンガン営業掛けられていました。
下調べしたとしても、紹介者に義理があるので入会は時間の問題だったかも。
青年会議所の実態について
さて、ここから言いたい頃が色々あります(笑)
青年会議所の実態について誤解を恐れず一言で言ってしまえば、暇とお金がある地元会社の2世の集まりと言っても過言ではありません。
ボランティアはお金と時間がある人だけに許された特権ですね。
渉外活動といって、全国各地で開かれる会合や研修会に参加する事があるのですが、スケールが凄いです。
JCの世界大会で10日間インドとか、一週間九州とか、そんなの中小企業の社長が行けるわけがありません。
費用は会費から捻出されるわけではありません。全部自費なので旅費滞在費や各種費用がとんでもなくかかります。
私のような青色申告の個人事業主など、とても無理。
お金に関しては何とかなるかもしれませんが、問題は時間です。
一週間とか仕事もせずにいてどうしてビジネスが回るのかと。
私も幾度となく誘われましたけど、どう考えても無理です。
でも、熱心な人は行くんですよ。しかも毎月!
JC活動に熱心でも会社運営に問題がないのは、やっぱりキッチリとした組織が出来ているせいでしょう。
それに裕福そうな人が多かったです。
女性会員の場合は地元企業の社長令嬢って感じですね。
それと、会員に多いのが地元のちょっと大きめの飲食店のオーナーです。
毎年12万円の会費を払っても、年に1~2回程度でも例会後の打ち上げで使ってくれれば、売り上げ50万円くらいになるので黒字なのです。
それに、一度来た人は一人で来ることもあるので、新規顧客の獲得にもつながりますよね。
JCは非常に飲み会が多いのですが、必ずメンバーの店に行きますし、店選びは人間関係です。
青年会議所の悪い話
これは知らずに他所で話題を振って地雷を踏んでしまった事なのですが、青年会議所って呑み方が相当汚いらしいですね。
幸いにして私が所属した組織は紳士揃いだったので目にしたことはありませんが、他所では横柄な態度を取ったり、店の女の子に無理強いしたり、渉外活動先で夜遊びをしたりと悪い噂を直接耳にしました。
青年会議所って知ってる?と話題を振ったら、色んなネガティブな話が出てきてしまい、とても自分が入会したって話が出来なくなることがあったんです。
パーコンは天職と思っているこの私が、年に1、2回もうやめたいと真剣に悩むパーティーがあるんですよ。
むしろ、パーコンやめるって言うか、人生を投げ出したくなるパーティー。
それはJC!日本青年会議所!!
あまりにもひどかったので、今日は名指しで言わせて貰いますわ!
文句があるなら言って来い。
警察でも裁判所でも行って、証言したるわってくらいです。
ちゅーか、訴えられへんだけありがたいと思えよ…。ここはほんまにひどい。
日本青年会議所ってひとくくりに言っても、まともな人たちもいますけど、全国のパーティーコンパニオンに嫌われてるの、ここくらいですよ!
半数以上がひどいから、こんな全国的に嫌われる事になるんですよ。
JCって、色んな地区に分かれてるから、たくさん存在してるんですけどね。
関西のパーコンなんて、「今日のお客様はJCです」ってミーティングで言われただけで、「お金いらないんで帰っていいですか」ってくらい嫌ってる。
やる気をなくすNGワードですよ。
たまたまここを見てしまったJCの会員さんで、「俺のところは違うよ。みんな紳士的だよ」って言う人も、そういう目で見られてると思っておいた方がいいです。
そういう目で見られたくないなら、全国大会の時に、取り上げて欲しい。~中略~
うちの事務所はJCの仕事は一切取らないようにしてたんやけど、断ったらわざわざ名前を変えて発注するって、やり方が汚いねん。
パーティー中にいきなり脱ぐ、猥談をする、お触りNGなコンパニオンに抱きつく、帰りに待ち伏せをして車に引きずり込もうとする、めちゃくちゃ女の子を侮辱したものの言い方をする、物は投げる、ホテルや店の備品は壊す、その辺で喧嘩はする、もう最悪!!一度のパーティーで、皿を20枚近く割るのって、ほんま考えられへん。
それも、裏手で配膳スタッフが割るんじゃなくて、客が割るってどうなん?
故意に床に叩きつけて割るって、あんたらストレスたまってんのか?
「物を壊さないでください」ってお願いしたら、「金を払えばええんやろ?」って、そういう問題ちゃうねん。
お金出したら、何してもええと思ってるその根性が気に入らんねん。
コンパニオンのパールのイヤリングやネックレスを引きちぎって破壊するって、何がしたいんや、ほんまに。
Into Tomorrow コンパニオンより恨みを込めて。 より一部引用
他にもボランティア活動ならまだしも、組織の内向きの仕事でかなりタダ働きさせられたのがきつかったです。
会費を取っている会員にはタダ働きさせて外の業者にはお金払うとか、特定の会員の施設にお金を落とさせるのは組織が利権化しているのではないか、とか。
なお、青年会議所依頼の仕事で賃金未払いの話を2件直接耳にしました、つらい。
当日にいきなり呼び出したり、呼び出した先の施設の場所が取れていなかったり、出向いたのにアポが採れてなくてそのまま帰る羽目になったり、ビジネスパーソンとしてどうなのよ?って人も多かったです。
それと、日本青年会議所ってトップは麻生大臣なんだそうです。
私の紹介者の一人は今度国会に行って麻生大臣と話をしてくるんだって言ってましたし。
本当会えたのか不明ですが政治好きの人にとっては夢のような組織かもしれません。
実際、地元の選挙には役立つそうですよ。
でも、政治の世界がJCの世界の延長にあるって考えると・・・ちょっとね(汗)
まさか国会議員までこの調子だったら、とは思いたくない。
と、そんなワケで、私が知る限りにおいて日本青年会議所は個人事業主が参加してついていける組織ではないです。
実際、メンバーは減り続けているようですし、インターネット時代には厳しい組織だと思います。
仕事は受注できたのか?
受注ゼロ件。一度自宅事務所に来てもらって打ち合わせしましたが、空振りでした。
かなりの時間と労力とお金を使って得られるものはなかったです。
人脈云々も全く役に立ちません。
確かに名刺屋さんとか印刷屋さんとか、飲食店とか組織利用で直接お金を稼いだり、会社のホームページを作って毎月管理費を取っている会社もありますがごく少数です。
ビジネスに繋がるとプッシュされましたが、私が所属した程度の月日では足りなかったようです。
結局は紹介者の面子をつぶさないよう、根回しを済ませた上でキリがいいところまでキッチリ務め、2018年末で正式に退会しました。
日本青年会議所は若衆である
ここでいう若衆とは、歌舞伎用語ではありません。
中世日本の若者の成長のテンプレートとして例えました。
中世日本の惣村等では、子供がある程度の年齢になると青年の集団に入って共同生活をします。
そこで先輩から仕事を教わったり、社会的規範の躾を受けるのですが、同時にヤンチャをしても大目に見られたります。
一人前でないのですから色々とルールを破っても仕方ない、と許されていたのです。
その反面、若衆は一人前ではないのですから、村の意思決定に参加することは出来ません。大人としての権利は制限されています。
しかし成長して結婚と同時に共同生活から独立して家庭を持つと、正式に一人前として認められるのです。
形を変えながらもこの仕組みは脈々と受け継がれており、少し前の暴走族やヤンキー文化等はまさに若衆の系譜にある社会的規範だといえます。
日本青年会議所もこのルーツでしょう。
理想的な流れとしては、未熟な経営者が組織の中でビジネスパーソンとして鍛えられ、羽目を外しても多少は許され40歳で卒業するというわけです。
もちろん、現代日本ではいい年したおじさんおばさんがハメを外す意味がないですし、早熟当たり前の社会でその年になったら一人前になっておけよ、と言いたいところですが、若いころにいい子ちゃんだった人がやり直しているのではないでしょうか?
だからハメを外して悪評が広がる、と。
最後に
中に入ってみると色々と思うところがありましたが、今となっては遠い世界です。
結局、始めたばかりのウェブライターのクライアントの獲得も全部ウェブから応募してアポを取って打ち合わせをしていますし、既存の組織に入らないと仕事が取れないという事はありません。
経営不振以外にもネットだけで仕事が完結する事に年齢相応の役割が果たせていないのではないか、という若干の心苦しさがあったせいか、柄にもなく地域振興やリアル人間関係で仕事をしようなどと色気を出したのが失敗の原因で、私らしくない判断だったと思います。
そして、いわゆる一般の人にとってインターネットは未だに良く分からないし、信用のおけないものであるという事もよ~く分かりました。
上の世代が既得権益や慣れたビジネスのやり方にこだわっている内はネットビジネスで食べていけると思いますよ。